広桃発電所の工事となにやら実験中

先日、広桃発電所の更新工事に際して群馬県企業局が面白いことをしていると某筋よりタレコミがありました。
ありがたいことですw
というわけで早速行ってみます。
まずは国体道路から最下流側の内島橋から水路を見てみると
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おー、沈砂池からバイパスされる水路から囂々と水が流れてきてます。
では上流部へ
国道17号をアンダーパスする広桃用水
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その先の余水吐の部分ですが、水深が本来の水深より浅い上に水流が早い。
理由は後述
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沈砂池
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本来は左側が発電所で、そちらに導水しますが、今は発電設備更新中で流水は絶対不可
ということで、水深は越水部より低いですが沈砂池左岸は仮設の止水壁が立てられてます。
改修中の4門の制水門と新しく設置されたスクリーン
もうじきここに制水板と、それを制御する巻上装置が設置されるのでしょう。
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排砂ゲートは既に水の底、スライドゲートですね
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沈砂池出口
全部こちらから解放なので結構な水流
発電所を経由しておらず、ダイレクトに放水されているので水流が殺されずそのままの勢いで流れてます。
なので余水吐部分でも水深が低かったのでしょう。
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前回、水流がなかった時は丸穴がちょこんと開いてた水門は水で埋まってますが、その丸穴から水が一部流出してます。
この排水、恐らく田口発電所の沈砂池の下を通って、向こう側のヒューム管として出て行く水路じゃないかと今になって思います。
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そして本日のハイライト
リニア水力発電方式の実証実験
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リニア水力発電 ってなんだろう? ってふと思ったんですよ。
リニアって直訳すると一直線とか線型みたいな感じで理解してますので、事前に言葉で聞いてた時はどんなものなのか色々な構造を想像してしまいましたが、現地へ行ってみて、なんてことはない至極単純な物でした。
水路の護岸上にデンと鎮座する発電設備
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リニアってのは恐らく水路にそって直線上に並べて設置する って意味なのでしょう。
私はそう理解しました。違ってるかもしれませんがw
今は水面から離されてますが、水車と発電機が3機ずつ並んでます。
水車の区分で言えば 下掛け水車 に分類されるやつでしょうか。
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上部構造物、中央奥の四角い箱は発電機、左の箱が制御装置でしょうか。
手前のパラボラアンテナ風な物は恐らく水面を測るセンサーかな?
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水車と発電機はチェーンで接続されているようです。
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(何れの写真も、規制線トラロープの外側で撮影しています)
発電をする時は、ウインチで吊りつつ固定のボルトを外して水車が水面に接する辺りで再びボルトで固定するという、実証実験ぽいやり方。
もしこのシステムで実用化の折にはワイヤーロープで吊るか、油圧シリンダーで上下させたりするんじゃないでしょうか。
この実験用発電設備を見て、小学生の時に下敷きを二分割して作った4ペラの水車や、黒澤明監督の映画 夢に出てくる大王ワサビ農場を思い出しましたw
このタイプの発電設備、確かに今まで有りそうで無かった方式です。
私が思うこの手の発電設備の利点は
構造が簡単
護岸がしっかりしていて流水があれば設置が可能
水車が水面付近なので沈砂池が不要
水路の上にずらっと並べられるだけ並べれば結構な電力を生み出せる
ボックスカルバート型の暗渠でも水流が一定ならこの方式なら設置が出来そう
欠点としては
安定した水面高が必要(事前に余水吐き等が必要だったり、センサーで水面高を検知して水車を上下させる制御が必要に)
水面に浮いたゴミ(空き缶やペットボトル等)で水車がダメージを受ける(事前にフロート等で避けられますが)
幅の広い水路では設備が過大になりすぎる(あるいは横に並べるという選択肢もありますがw)
そして、金属チェーンを使う以上、チェーンの錆びやキンクや固着が発生するので結構なメンテナンスが必要なこと
一通り見て思ったのはこのくらいでしょうか。
いずれにしても実証実験ですから、多いに利点欠点を洗い出して、実用化に繋げていって欲しいです。
そしてこの発電設備の裏に見える、消防学校で訓練で使ったであろう大破した自動車の数々・・・
まだ訓練で使うのか、それともこのまま野晒しなのか、纏めて廃車解体へ持っていくのか・・・
この場所だと草ヒロにはなれませんw
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水路の合流側は、逆流してこないように土塁
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そして一風呂浴びに富貴の湯へ行って、帰ろうと駐車場で車乗り込もうとしたら目に付いてしまった
吾妻川線の特高線張り替えと鉄塔の更新工事
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いやぁ、充実した一日でしたw

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