[PC-9821]バックアップバッテリ VL2330/ML2430 交換
PC-9821系のCMOS保持バッテリー、いわゆるボタン電池のお話。
 一般的なAT互換機ベースですと、CR2032という一次電池(使い切り)を使うことが多いです。
 一部のノートPCでは充電式ボタン電池を緑色のフィルムで纏めた電池(私は外観から通称で空豆と称してます)や、NECのLaVieの旧型でML1220という充電式ボタン電池使っていますが、このあたりは例外扱いです。
 さて、PC-9821系ですが、製造終了やサポート終了でNECから保守部品をとることがまずできません。
 なので、いわゆる電子部品商から電池を入手する必要があります。
 PC-9821系で使われているボタン電池はすべて二次電池、いわゆる充電式電池ですので、間違ってもCR2032等の一次電池を接続しないようにお願いします。
 また、プラスマイナス逆接続してしまうと液漏れ、破裂の恐れがありますので、絶対に間違わないようにして下さい。
 さて、PC-9821系で使われているボタン電池は2種類有ります。
 ML2430:マンガンリチウム系二次電池(主にPanasonic)
 VL2330:バナジウムリチウム系二次電池(昔は主にSANYO、今は主にFDK)
 の2種類です。
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 青いフィルムがML2430 (PC-9821 Ra43に装着されていた)
 茶色いフィルムがVL2330 (PC-9821 V12に装着されていた)
 今回はPC-9821 Ra43 の電池が劣化の為時計保持ができないということで交換となります。
 青い方のフィルムをはがしてみると
 解りやすいくらい液漏れ
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 交換する電池ですが、ケーブル付きの保守部品も流通しているのですが、いかんせんお高い。
 数千円します。
 タブ(端子)付き電池単体であれば500円前後から入手ができます。
 タブの向きにも種類があります。
 電池の面に対して横に一方向で生えてるタイプ
 電池の面に対して左右両端に生えてるタイプ
 電池の面に対してマイナス方向に向けて生えてるタイプ
 が一般的です。
 一応どれでも使えなくはないのですが、配線の都合で一番真っ当に使えるのは一方向に生えてるタイプです。
 今回はPC-9821 Ra43のML2430を交換します。
 交換用で用意したのはVL2330の横方向タブ付き
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 最初の写真をご覧になって頂くと解ると思いますが
 じつはVL2330とML2430では接続端子のマイナス極のピンアサインが異なります。
 ML2430は3端子の真ん中にマイナス極
 VL2330は3端子の端にマイナス極
 が接続されています。
 これはそれぞれのバッテリの特性が異なり、充電環境をそれぞれに合わせる必要がある為です。
 ピンアサインを間違えて接続すると、こちらも液漏れや破裂の恐れがあるので、間違わないようにしてください。
 さて、ML→VL化にあたって、ピンアサインの変更を行います。
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 真ん中のマイナス極の端子の樹脂部分を精密マイナスドライバなどでベロを持ち上げてあげると金属の内部端子が引っこ抜けます。
 抜けたらVL2330のピンアサインになるよう、端の方に射し込みます。
 旧、新、比較用の3本
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 あとは電池のタブにプラスマイナス間違わないように接続して、電池の金属むき出しの面を絶縁します。
 本来は伸縮チューブなどを使うのが望ましいのですが、手っ取り早くビニールテープでぐるっと巻いただけ。
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 本体に接続し、両面テープで貼り付け。
 FDからDOSを起動して、dateコマンドとtimeコマンドで時刻を修正。
 1時間程度通電させて充電し様子見して終了。
